10月20日(2021年10月20日)

 B子は一流会社の社員と結婚し、高級な社宅で贅沢な暮らしをしていたが、夫はいつも「誰のおかげでこんな良い生活ができていると思っているんだ、感謝しろ」と威丈高で、いつもB子に当たり散らし、育児・家事、更には夫の実家の両親の面倒までB子に見させてまったく感謝の気持ちがない。B子はそれでも日々の暮らしが潤沢なので我慢していたが、娘が3歳になって水泳教室とピアノ教室に通わせたいので、その費用を出してほしいと申し出たところ「誰の子かわからんのにそんな余分な金は出せない」と怒鳴られたことに忍耐の緒がぶち切れ、娘と共に家を出て実家に身を寄せた。

 夫は家政婦を雇い、それでも子に毎月10万円は送金してくれていた。「土下座して謝罪するなら戻っても良い」とあくまでも高姿勢だ。

 B子は復縁するつもりはなく、慰藉料も請求して離婚することとし、私の事務所に相談に来た。

 早速離婚調停を申し立てし、夫は自分は悪くない、慰藉料を支払う必要はないの一点張り。解決まで長引きそうだったので婚姻費用請求調停の申立をした。夫の言い分は毎月10万円を支払っているのだからそれで十分ではないかというもの。そこで審判を求めたところ、夫の年収が高かったので1ヶ月25万円の婚姻費用が認められた。そして、夫は300万円なら慰藉料を払っても良いと言ってきた。

 そこで私は計算する。婚姻費用は1年で300万円になる。離婚しないで婚姻費用を何年ももらい続けていたほうが良いのではないか、B子に再婚の希望があるか聞いたところ、もう結婚はこりごり、再婚なんかしないという返事。離婚調停を取り下げた。仮に夫から離婚の訴が出されても、B子のほうに離婚原因があるわけではないから、夫の請求は認められないだろう。B子は毎月25万円をもらい、夫のガミガミ声も聞かず子どもと穏やかに暮らせると喜んでいる。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
仙台で弁護士を始めて50年以上。

この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。