11月10日 (2014-11-10)
人間ってなかなか改良できないものだ。
次から次と詐欺商法で儲けて起訴された被告人が、法廷で「今後は真面目に働いて、絶対人を騙すようなことは致しません」と言っても、一年後にはまた同じようなことをやって逮捕・起訴される。執行猶予をつけられず、実刑になっても、同じような犯罪を重ねる。舌先三寸でお金を、それも大金を手に入れるうま味を知ると、なかなか額に汗して働いて得る少額の賃金に甘んじる生活ができなのだ。
薬物も、同じだ。覚せい剤の前科者のなんと多いこと。
離婚原因で多いのが、競輪・競馬・パチンコ等の賭博、これもやめられない。私が、受任した離婚事件の相手方の男性は、「賭博をやめるなら、女房と別れた方がよい」とまで言っていた。その男性は、仕事を辞めて、妻の稼ぎまで持ち出して競輪・競馬に狂っていたのであった。
さて、国際観光産業振興議員連盟という団体が、「カジノ解禁推進法案」を国会に提出し、いずれ国会で審議されることになろう。
カジノ建設によって、税収と雇用の増加をはかろうというものだが、他方多くのギャンブル依存症患者が生み出され、犯罪・破産・自殺・離婚が増えるであろう。カジノへの暴力団の介入を排除することも困難で、カジノ施設およびその周辺で犯罪の温床となる危険性も危惧される。
私は、この4月、マカオと香港に美味しいものを食べに行ったが、カジノビルが乱立し、中では一晩中まばゆいネオンの下で、多くの人たちがギャンブルに興じていた。そして、明け方うつろな目をして中国本土に帰って行く集団の姿を目の当たりにして、慄然となった。
当然のことながら、弁護士会でもカジノ解禁に強く反対している。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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