8月20日 (2016-8-20)
C美は、父親から土地・建物を相続したが、自分は、県外に住んでいて、第三者に貸してある土地・建物は必要ないので、賃貸借契約を自動的に20年毎に更新して来た。
しかし、C美も、もう60歳になり、また20年貸し続けると、自分は80歳になっていしまい、その時には、もう不動産の処分手続などできないし、C美は独身で子どももいないので、今のうちに父親から相続した土地・建物を売って、それを施設入所の代金に充てたいと、相談に来た。
私から見ても、当然の要求に思ったので、C美の委任を受けて、借り主に契約を更新しない旨の通知をしたところ、借り主から、また20年契約更新してほしいという返事が来た。借り主は80歳近い夫婦である。借り主も老齢であるが、「自分たちの親族は、皆100歳近くまで生きている、だから自分たちも少なくとも、あと20年はこのままここに住み続けたい」という主張だ。
らちが明かず、調停の申立をした。
結局あと15年貸して、それ以上は更新しないことで合意した。ただし、借り主がそれ以前に借家に住む必要がなくなった場合(たとえば、施設入所・死亡など)には、契約は終了して明け渡すという条項を入れたが、つくづく高齢社会を実感した。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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