8月10日 (2016-8-10)

 A社でB子を採用して入社させた時から、社内で盗難事故が頻発し、会社の更衣室で財布や時計がなくなったという苦情がたくさん寄せられた。
 そこで、総務課長が内偵していたところ、盗まれた財布に入っていたはずのレシートがB子のゴミ箱から出てきたので、B子を詰問したが、罪を認めない。A社は、警察に被害届を出し、B子は、前科もあったことから逮捕勾留された。
 B子の親が被害弁償をし、B子が反省しているということで、警察からA社に対して、被害届を撤回するかどうか問い合わせがあったので、A社の課長が、勾留されているB子に面会に行った。
 当然B子は、「申し訳ありませんでした」と謝罪するかと思ったら、とんでもない。B子は、「なぜ私のゴミ箱を無断で調べたのか」と怒っている。
 また、B子が、以前いた会社でも窃盗をはたらき、起訴猶予になったことを採用面接試験の時に言わなかったではないかとA社の課長が責めたのに対して、B子は、「聞かれなかったのですもの。そんな不利なこと自分から言うわけないでしょう」と開き直った。
 B子は、全然反省なんかしていない。
 A社から、B子に対して、被害届の取下げをそれでもすべきかどうか相談された。私は、まず、当然懲戒解雇をして、被害届を告訴に切り替えるくらいの強い態度で臨むべきだと答えたが、A社としては、B子の親から泣きつかれ、そこまで強い態度に出るべきかどうか悩んでいるようだ。
 私が刑事事件を扱った経験からいうと、人間心底反省するということは滅多にないのだ。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
藤田・曽我法律事務所代表弁護士

仙台で弁護士を始めて50年以上。

この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。

注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。