2月20日 (2018-2-20)
堀川惠子という作者の「戦禍に生きた演劇人たち」という小説を読んだ。
小説といっても、資料に基づいて、大正デモクラシーといわれた時代から一転、治安維持法ができて「舞台はイデオロギーによって変節させられ、国家によって自由を奪われ、俳優は警察に連行され、演出家は拷問を受け、作家が警察署の中で殴り殺される。わずか70数年前にあった、この国の姿」を描いている。
小林多喜二の虐殺はよく知られているが、これを世界に向けて発表したのが、築地小劇場の設立に私財を投げ打って乗り出した土方与志という伯爵。彼も、爵位を剥奪され、特高(特別高等警察)に逮捕され、懲役5年の実刑に処せられた。
また、昭和14年には「映画法」が成立し、厳しい検閲のもと国内の映画は1本の例外もなく、「肉弾挺身隊」、「かくて神風は吹く」、「野戦軍楽団」などの戦争一色の作品となった。
こんな時代が二度と来ませんように。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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