3月10日 (2021-3-10)
C子は交際している相手の男の子を妊娠した。当然男も喜んでくれるかと思ったら男は「まだ結婚すると決めたわけでもない、オレは今から子供を持ちたくはない、堕ろせ」と言う。C子はあきれ、怒り、悲しみ、もう男とは付き合わないと決心し、子供は産んで一人で育てる決意をした。
出産してから男に認知と養育費の支払いを求めた。男はこれを拒否したので調停の申立をした。
調停の席に出て来たのは男の祖父だった。曰く、「孫はこれから将来のある身だ。これから良い結婚をして良い家庭を築いてもらうのに、結婚前から認知した子がいるというのでは良い結婚ができない。お金はいくらでも出すから認知だけは勘弁してくれ」と言うのだ。そんなバカな話はないとC子は最初憤っていたがこれから先、無情な男がきちんと養育費を払い、子供を大事にしてくれるとは思えない。そんな父親なんていなくてもいい、むしろ一時金をたくさん取って男とは完全に手を切ろうと考え直し、将来の養育費として1000万円以上の大金を祖父から払ってもらい、認知は諦めて和解したのであった。
賢い選択だったと思う。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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