1月10日 司法IT化についていけるか
私は、ガラケーをスマホに替えたものの、ガラケー機能しか使えないでいる。スマホで何でも用を足す達人には感心させられる。
事務所で事件の依頼を受け、着手金は○○円ですというと、依頼者はその場でスマホを操作し、「はい、振り込みました」と言うのにはびっくりさせられた。
司法の世界はIT化が遅れていると言われるが、それでもコロナ感染症の流行以降、ウェブ会議が増えてきた。主張書面をUSBメモリで提出するように言われたりする。
刑事裁判では、もっとIT化が遅れていると指摘されている中、先日、東北法学会で、検事長の講演を聞く機会があった。演題は、「刑事手続IT化と検察の対応」。それによると、令和4年6月に規制改革実施計画が閣議決定され、令和7年度中まで、刑事手続のデジタル化の運用開始の詳細スケジュールが決定するようだ。
内容を見てみると、
①取り調べの際の供述を調書に代えて電子データにする
②裁判所と検察官、弁護人の打ち合わせや手続きを出頭せずにビデオリンク方式にすることができる ③証人尋問も、ビデオリンク方式にすることができる
④逮捕令状や捜索令状、その請求書などを電子方法により作成し、オンラインで取得する
⑤被疑者・被告人と弁護人の接見を、映像・音声の送受信により行う
などとなっているが、私がこれまで行ってきた刑事事件の弁護活動とは大きく様変わりする。講演を聞き終わって、フ~これではとてもやっていけないなあ、というのが率直な感想だった。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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