3月20日 クレーマー
このところ、大阪と埼玉とで医師が殺される事件が立て続けに起こった。どちらの医師も患者のために誠心誠意尽くし,地元で多くの人に尊敬され慕われていた医師だったというからやり切れない。埼玉の事件は,トラブルの多い被疑者の母親の在宅治療を進んで引き受けていたのに無茶な要求を医師にして聞き入れられないことに立腹して散弾銃で発砲して殺害したという。いわゆるクレーマーというのは患者や父兄、消費者、色々な場面で存在する。私が相談を受けている老人施設でもクレーマーの対応には頭を悩ませている。デイサービスから帰った父をみたら入れ歯を入れ忘れていた、他人の靴下をはいている、今日のおやつはまずかったと言っている、等々。「施設の対応がなってない」と一時間近くも電話で苦情を言って来る。入所中の母が足首を骨折したのは職員に暴行されたからだ、と言われ医者に看てもらったら寝返りした時に骨折したものだとわかった、等々。
弁護士事務所を訪れる依頼者の中にもクレーマーは存在する。以前私の事務所に境界争いの件で相談に来た男がいきなり私に対して「何だ、この事務所では依頼者にお茶の一杯も出さないのか」と怒鳴りつけたことがあった。私はすぐに「あなたは何しにここに来ているのですか。お茶を飲みに来ているんじゃないでしょう。こんなに図面を広げて相談している所でお茶をこぼしたりしたらどうするんですか」と怒鳴り返し、彼はますます怒って帰ってしまったが、私みたいに言いたい放題言っていたらその内ズドンとやられるかもしれないと少し反省した。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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