12月20日(2021年)親権者
B子は夫の不倫が発覚して、とても夫の顔を見ているのに耐えられず、2歳の長女とともに家を出て、実家に身を寄せている。
子どもの親権者、養育費、不貞の慰藉料を求めて、離婚の調停を申し立てた。夫にも弁護士が付き、離婚には応じるが、自分が親権者になると答弁してきた。
B子はこれを見て「とんでもない、不倫を働くような男に子どもは預けられない」と怒る。
子どもの親権者として相応しいか否かは、子どものことをどれだけ思って、子どものために養育できるかということであって、仮に不貞を働いていてもそれは妻に対する裏切りであって、子どもに対して不誠実であるというわけではないので、不貞イコール親権者として失格ということにはならない。
B子は納得しないが夫の不貞を取り上げなくても、
①現在子どもは母親であるB子とともに生活して何の不自由もしていない。
②子どもも父親より母親を慕っている。
③夫婦一緒に生活していた間、夫はほとんど子どもに対して父親らしいことをしなかった。
④夫は毎日会社勤めで、今後とも自分で子どもを養育するのは困難な状況だ
などと主張すれば、裁判所はきっと母親であるB子を親権者に指定してくれるはずだと説明して、やっとB子に納得してもらった。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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