8月20日(2021年)
A子はヨガのインストラクターだ。自動車で信号待ちをしているところを後ろから追突された。過失割合は0対10である。救急病院で診察を受けたがその日のうちに帰され、1ヶ月通院した。病名は頸椎捻挫、いわゆるむち打ち症である。いくら通院しても首や肩の痛みが取れないので、自分の判断で整骨院にも行ってみた。
3ヶ月くらい経った頃に、加害者の保険会社から示談すると言ってきた。「必要かつ妥当な範囲」の治療期間を終了したから、これ以上の治療費も負担しないと言って数十万円の保険金の支払いを主張してきた。とんでもない、A子は未だに首・肩の痛みで仕事もできない。しかし、これ以上良くなるとも思われないので医師と柔道整復師から診断書を取って後遺障害の申請をした。これを受け付けるのは自賠責損害調査事務所であるが、1ヶ月後、後遺障害には該当しないという調査結果が出た。画像上骨折もないし、神経根の圧迫などの異常所見はないという理由であった。これに対しては異議の申立ができるので、更に医師の意見書を追加して申立をしたが、果たして異議は認められるだろうか。
外形上異常所見がないと言われても、本人の痛みは続き、特に梅雨空の下でウツな気分で仕事も家事もろくにできないA子は哀れである。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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