4月20日 (2021-4-20)
A男は今、亡くなった父親の遺産をめぐって妹と争っている。先祖代々に伝わってきた雛人形、茶道具、掛け軸など、A男は当然自分が〇〇家の長男として相続するものと思っていたが、妹が「お父さんは雛人形や茶道具などの動産は私にくれると言った」と主張するのである。「いつそんなことを言ったんだ?」と聞くと「常々言っていた」「俺はそんな話聞いたことはない」と言い争いになる。そんなことを言っていたという証拠があるのかと聞くと、証拠はないが亡くなる一寸前も私が施設に見舞いに行ったときにそう言っていたのは間違いないと頑張る。A男は嘘をついてまで兄妹の仲を悪くしてそんなに財産を取りたいものなのでしょうかねと言うので私は「だって政治家だって官僚だって保身のために皆嘘をついているじゃない」と言うと「なるほどね」と納得し「でも最後は嘘でしたと謝罪したでしょ」と言うので「それは音声データが出てきて嘘をつき通せなくなったからじゃないかしら、妹さんの場合も施設の訪問者名簿など見せてもらって本当に妹さんが施設に行っていたかどうか調べて、行っていないとなると妹さんに嘘を認めさせることができるかもしれない」と言うと、A男はそこまでやるか、という顔をしていた。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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