9月10日 (2020-9-10)

 中国で国家安全維持法を制定し、これに基づいて香港は反政府活動の捜査に関する規則を施行した。
 これにより今まで比較的自由に中国政府を批判してデモを行ったりSNS上で意見交換などしてきた香港市民は今後、国家安全法に違反するインターネット上の書き込みを強制的に削除されるだけでなく令状なしで家宅捜索されたり、通信傍受されたり、全く自由に物が言えなくなってしまった。
 香港を逃げ出して台湾や英国で生活することを希望している人も少なくないと聞く。
 日本は自由に物が言えていいな、と思っているかもしれないが、おっと、特定秘密保護法という法律が平成25年に制定されたことをお忘れなく。特定秘密として防衛、外交、特定有害活動、テロリズムの防止が掲げられているが、秘密の範囲は曖昧で「安全保障に関する」と言われればなんでも秘密にされ、これに関する情報を漏らしたり、特定秘密を知ったという理由で逮捕、懲役にされる恐れもあるのだ。国は不都合な真実を覆い隠すつもりではないか、と国民は常に目を光らせる必要がある。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
藤田・曽我法律事務所代表弁護士

仙台で弁護士を始めて50年以上。

この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。

注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。