1月10日 (2019-1-10)
一日、法律相談の当番だった。いろいろな人の相談を聞いていると、いかに世の中に悪い人がたくさんいるかよくわかる。
A子は、一週間旅行に行く間に、友人B美がA子の留守中飼いネコに餌をあげに来てくれると言うので、ありがたいと思って頼んだ。A子が帰宅した後、信販会社からA子が買った覚えのない化粧品などの請求書約30万円が送付されて来たので、不審に思ってB美に問いただしたところ「ごめんなさい。部屋の中にクレジットカードが置いてあったので、つい誘惑に負けて、そのカードを使って買い物をしてしまった。毎月1万円ずつ返すから許して」と言われた。
しかし、B美からの返済は、2ヶ月で滞ってしまった。どうしようという相談。
C男は、久しぶりに小学校の時の同級生D太郎に会って、飲みながら話をするうち、「今、境界争いで困っているんだ」とD太郎に打ち明けたところ、「オレの知っている弁護士を紹介しよう。30万円で安くやってくれるよ」と言うので、後日D太郎に30万円を預けたところ、そのまま彼と連絡が取れなくなってしまった。どうしようという相談。
E子は、自転車で転んで膝を痛めてうずくまっていたところを通りかがりの男性に、「大丈夫ですか、近くで薬を買って来てあげましょう」と声を掛けられ、その男性に自転車を貸したら、そのまま乗り逃げされてしまった。警察に被害届を出したいが、その男性の名前も住所もわからない。どうしようという相談。
いずれの相談も、親切を装って相談者を欺している。しかも、その金額は30万円位で、わざわざ訴える手間暇・費用を考えると、泣き寝入りをしてしまいそうなケースばかりだ。
人をみたら泥棒と思え、とは言いたくはないが、ちょっとした詐欺の被害に遭わないようにするには、自分自身で警戒を怠らないようにするしかないのが現状だ。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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