3月20日 (2017-3-20)
建築・修繕トラブルが多い。原因は、最初にきちんとした契約書を作っておかないからだ。また、最初に契約書を作っても、途中で修正や追加工事が発生すれば、それについても、契約書を作ることが必要だ。
A建設会社の社長が相談に来た。当初3千万円での家屋の新築工事を請け負ったが、施主が材料のグレードアップを要求したり、出窓の追加工事を依頼するので、A建設会社が「それでは、3千万円では収まりませんよ」と言うと、施主は、「後で追加分を払う」と言うので信用したが、いざ工事が終わると、施主は、3千万円以上は払う義務はないと言って、払ってくれないという。
その都度、追加請負契約書を交わしたり請求書を出さなかったA建設会社の言い分は、そう簡単には認められない。当初の仕様書と実際にできあがったものと比較して主張するのが一仕事だ。いくらA建設会社が仕入帳や打ち合わせメモを出しても、それはA建設会社の内部資料なので、施主に「そのようなものは認められない」と一喝されると弱い立場だ。
せめて、引渡を拒否すれば良かったのに。何でもかんでも施主を信用したA建設会社は、裁判を起こすにしても、高い授業料を払うことになるのだ。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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