3月10日 (2017-3-10)

 最近高齢者の自動車事故のニュースが多い。高齢者の運転免許証の返納を推進しているようだが、70歳の私も、いつまで運転できるかと不安になる。
 以前は、ビュンビュン飛ばして速度違反で検挙されたことが何度かあったが、この5~6年は、我ながらおとなしく慎重な運転になったと自負している。私は、マニュアル車を運転しているが、今度車を買い換えようと思ったら、マニュアル車種がほとんどなくなっているので、オートマチック車にせざるを得ないと思っている。
 久坂部羊という医者が書いた小説「老乱」を読み終えたが、認知症を介護する側とされる側の気持ちが非常によくわかる。75歳からを高齢者とする、という呼び方の問題ではなくて、一人一人の健康状態によって、できることの差が大きいのだ。
 弁護士や開業医には停年がないので、自分で仕事を辞める時を決める。私の周辺でも、弁護士登録を抹消したという知人が何人もいる。
 私は、娘と一緒に法律事務所をやっているので、娘に、私が仕事に耐えられなくなったら、他人から言われる前に言ってねと頼んであるが、娘に客観的な判断ができるだろうか。
 しょっちゅう物をなくして探し回ったり、時間を勘違いして、「あっ、私、ボケた、ボケた」と言うと、事務員に、「先生、昔からですよ」と言われる。
 これは、安心していいことなのだろうか。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
藤田・曽我法律事務所代表弁護士

仙台で弁護士を始めて50年以上。

この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。

注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。