6月20日 (2016-6-20)

 せっかくリオのオリンピックでメダルを狙えるバドミントンの選手が賭博をしていたということで資格停止になった。
 しかし、よくわからないことが多い。
 ヤミ賭博、違法賭博を開帳していた賭博場に通っていた他の客は、おとがめなしなのか、スポーツ選手にだけ厳しいのか。
 刑法185条は、「賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りではない。」と規定する。そして、刑法186条2項は、「賭博場を開帳し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の懲役に処する。」とこちらの方は、重い刑罰だ。
 しかし、そもそも国営の競輪、競馬場があるし、カジノを開設しようという意見も政治家から出ている。
 街には、いわゆる雀荘があって、いろんな客が出入りしている。刑法を厳密に解釈すると、違法なことがまかり通っている。
 刑法185条のただし書きについては、「一時の娯楽にこうする物とは、関係者が即時娯楽のため費消するようなものをいう」と判例ではいっており、その場の茶菓などがあげられる。しかし、雀荘では、皆現金を掛けているが、そのレートが特別高いものではない限り、摘発されたとは聞いていない。
 日本の法律は、いわゆる「グレーゾーン」が多いとはよく言われることである。
 その良い例が、道路の速度規制。時速80キロの制限でも、100キロ位までは取締の対象にならない。100キロを越えると、捕まるのである。
 もう一つは、収賄罪。これも、少額の場合は不問に付されることが多い。しかし、刑法の条文には、いくら以下なら、いつ、とは一言も書いていない。
 常識で判断すると言っても、我々の常識と政治家の常識では大きく違っていることは、常に痛感するところである。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
仙台で弁護士を始めて50年以上。

この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。