7月20日 (2014-7-20)

 小保方晴子さんのSTAP細胞に関する論文に不正があったか否かの問題で、小保方さんは、「悪意のないまちがい」という表現をしているが、この「悪意」というのは、どんな意味なのだろうか。
 私の事務所にある国語辞典によると、「相手に苦痛を与えたり不幸に陥れたりしたいと思う気持、また、そのような気持で相手の言動をとらえようとする意地の悪い見方」とある。
 しかし、法律用語では、悪意とは「ある事情・事実を知っていること」であって、道徳的・倫理的意味は持たない。
 たとえば、「悪意の占有」というのは、所有権などの権利がないことを知りながら土地などを占有することであり、契約における「悪意の第三者」といえば、AB間の契約内容(たとえば、虚偽であるとか、通謀であるとか)を知っている利害関係人ということである。
 研究論文に事実と異なる記述があったのなら、そのまちがいを故意にしたのか過失でしたのかの違いはあっても、善意・悪意の問題は生じないと思う。さらに、研究論文に事実と異なる記載があれば、それはもはや故意・過失を論じるまでもなく、「まちがい」なのであると思う。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
仙台で弁護士を始めて50年以上。

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