6月20日 (2013-6-20)

 B男は、いわゆる入り婿だ。
 義母の家に、義母・妻・2人の子どもと共に住んでいたが、毎日が息苦しく1人になりたいと強烈に思って家を出て、姉のところに身を寄せている。
 B男は、妻と離婚したいと願って、私の事務所を訪れた。
 そこで、私は、B男の代理人として妻宛に協議離婚したい旨の手紙を出した。
 早速、妻とその母親が私の事務所に来て、「どうしても離婚したくない。いったい何が嫌で離婚したいと思っているのか詳しく知りたい」と言う。
妻宛の手紙には、B男が、私物をチェックされたり、行先や交友関係を詮索されたり、プライバシーが全くない生活に耐えられないと離婚の理由を書いたつもりだが、妻らは、その具体的な内容を知りたいと言うのだ。
 B男は、口の重い男で、なかなか思うように話せないので、離婚したい気持ちを文章にして私の事務所に持ってきてもらうことにしたが、B男から文章を書くのに1ヶ月ほしいと言われたので、妻側にその旨連絡した。
 それに対し、妻から毎日のように矢の催促。それだけではなく、その間、妻の側からいろいろな提案がされた。例えば、妻の母親と一時別居する、敷地内に別棟を建ててB男はそこに住む等々。そして、その返事を早く、早くと迫るのである。しかも、妻は、「明日まで返事がなければ、提案は撤回する」、「離婚に応じて、こちらから慰藉料を請求する」と言ったかと思うと、また次の日、「昨日の失言は取り消す」、「何とか戻ってほしい」と、また催促。
 こんなのんびりやのB男とせっかちな妻が、よくもこれまで10年以上も夫婦でいられたものだと、あらためて感心した。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
仙台で弁護士を始めて50年以上。

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