3月20日 (2012-3-20)

 先日、家庭裁判所で自筆証書遺言書の検認手続を受けた。
 自筆で遺言書を作成した場合は、遺言を作成した人の死後、その遺言書を家庭裁判所に提出し、相続人が集って、どこに保管されていたのか、被相続人(自筆で遺言書を作成していた人=亡くなった人)の字に間違いないか等裁判官に聞かれ、検認調書が作成される。
 その後、遺言執行者の仕事が始まるのだが、今回も、私は、銀行の貸金庫の鍵を開けて内容を調べ、銀行や郵便局に預貯金の残高の確認をして、遺言書とおりに遺産を分け、登記したり名義変更したりという手続を行うことになる。
 自筆で書いた遺言は、たいてい弁護士に預けるとか、金庫の中に保管するとかだが、おばあちゃんの死後、仏壇の抽出から和紙の封筒に入った、いかにも大事そうなものが出てきたので、これは遺言書に違いないと思った娘が、そのまま家庭裁判所に持参し、相続人が集って封を切って中をみたら、何と昔のラブレターの下書きだったという笑い話もあるとか。逆に、粗末な茶封筒を、請求書か何かだと思って、ビリっと裂いて開けてみたら、遺言書だったという話もある。
 このようなことがないように、遺言を書いて封筒に入れたら、その封筒の表書にも、きちんと「遺言書在中」と書いておかねばならないのだ。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
藤田・曽我法律事務所代表弁護士

仙台で弁護士を始めて50年以上。

この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。

注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。