1月20日 (2015-1-20)
私が所属している弦楽合奏団の演奏会が終わった。
これまで1ヶ月に2回ずつ練習を重ね、本番に向けて励んできた。指揮者が「今までで一番良い出来だった」とほめてくれた。
指揮者曰く、「本番前のゲネプロが最高の出来だと、本番は気が抜けてうまくいかないことがある。だから我々プロは、あまり練習を重ねることはしない」。
なるほど、証人尋問でも同じことが言える。
事前の綿密な打ち合わをすればするほど本番がうまくいくとは限らない。
欺されて金を取られた女性B美の尋問前日の打ち合わせ。
B美は、欺されたいきさつと悔しい思いを激しい口調で述べ、私も引き込まれるように熱を入れて尋問の予行練習をした。
ところが本番になると、B美は、むしろ淡々と語って憤りが伝わって来ない。こんなはずではないと思いながら、尋問を終えて、後味が悪かった。
本番を最高潮に持って行くというのは、なかなか難しいことなのだ。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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