4月10日 (2015-4-10)
オレオレ詐欺の被害額がどんどん増えて、一日約1億円になっているというニュースを聞き、びっくりだ。そんなにお金を持っているじぃちゃんばぁちゃんが、日本にはたくさんいるということだ。
先日私の事務所に相談に来た初老の女性A子もそうだ。
「孫B太郎が、『サラ金から借金してどうにもならなくなったので破産する』と言っているが、自分はかわいい孫に破産させたくない。私が、お金を出してやるので、債務整理をしてほしい」という依頼だ。聞くと、A子は、これまで3回もB太郎の債務返済のために、合計1千万円くらい出してやっている。A子は、今回で最後だと言う。
直接B太郎の話を聞く必要があるので、私は、事務所にB太郎を呼んで来てもらった。
B太郎は、23歳、無職なのに大きな外車で乗りつけて、太い金のネックレスやブレスレットをジャラジャラさせ、高級そうな皮革のジャケットを着ている。
B太郎の現在の債務は、消費者金融5社から合計300万円だという。
私が、「それだけ?」と聞くと、B太郎は、「他に、友人5~6人からも、合計100万円くらい借りている」と言う。私が、債権者一覧表の用紙を渡して、全部書き出すように言うと、B太郎は、「面倒くせぇな。オレ、破産でもいいんだけど」と言う。私が、「破産するとなると、いま乗っている外車も手放すことになるよ」と言うと、B太郎は、「あれは、じぃちゃん名義で、オレの破産とは関係ないから構わない」と嘯く。
このような孫B太郎に、祖母A子は、本当にお金を出してやっていいのだろうか、本当にこれで最後になるのだろうか、と心配になった私は、もう一度A子の気持ちを確かめると、「孫は未だ若いんだから、破産なんかしないで、真面目な気持ちになって一から出直してもらいたいと思っています」と、あくまでも任意整理を希望する。
一から出直すためには、自己破産の方がいいと思うんだけどなぁ。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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