6月10日 (2015-6-10)
私の事務所に、A子が相談に来た。
A子の姉B子(75歳)が、夫からいじめられ、現金もカードもすべて取り上げられて、買い物も美容院に行くこともままならない。A子がB子に会おうとすると、B子の夫が邪魔をして会わせてくれないし、B子の携帯電話もつながらなくなった。唯一B子が通っているデイ・ケアセンターでB子と話ができるが、B子は離婚を望んでいるので、私がB子に会って話を聞いて欲しい、とA子から依頼された。
B子の自宅には、監視カメラが取りつけられており、訪問者は、すべてB子の夫がチェックするので、自宅でB子に会うのは難しい。まして、夫のいるところで、B子も離婚の相談などできないだろう。
そこで、私は、B子がデイ・ケアで通っている施設でB子と会うことにし、施設にその旨連絡した。
ところが、施設からは、「ノー」の返事であった。なぜかというと、B子のデイ・ケア契約は、B子の夫としているもので、B子の夫の同意なくしては、施設でB子と会うことを許可できないというのだ。私から、人権侵害の可能性もあることを、施設側に話しても、OKしてもらえない。
人身保護請求の訴を出すにも、まずB子の話を聞かないことにはやりようがない。
強引にB子宅に押しかけて行くしかないのだろうか。
気が滅入る。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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