11月10日 (2015-11-10)
A子夫婦と子どもらの住んでいる借家は、夫名義で借りていた。しかし、夫婦が不仲になって、夫が家を出て実家に戻り、親と同居したのを機に、夫とは別居生活を送っている。
夫は、A子と子どもらの住んでいる借家の家賃を払ってくれないので、A子が払うことにした。そこで、借家の賃貸借契約も、A子の名義に書き換えたいと思い、夫にその旨話したところ、夫は了承してくれた。
ところが、借家の大家さんの方が、簡単にいかない。契約者変更ではなく、新たな賃貸借契約として、敷金・礼金を入れてくれという。前の契約の敷金が残っているはずだと言っても、それは借家の清掃や修理に充てると言う。しかも、清掃・修理のため、いったん借家を明け渡してくれとまで言われた。
法律的には、前の契約は、A子の夫とのものなので、それを合意解約した上で、新たにA子と契約をするということだが、ずっと住み続けているA子としては、不経済・不合理極まりない。
これから大家さんと交渉しなければならないが、A子の望むような形で合意できるかどうか。
こんな問題を避けるためには、最初に夫婦共同名義で契約しておけばいいのだろうか。
しかし、なかなか将来夫婦不仲になった時のことを予想して、事に当たるようにというアドバイスはしにくいものだ。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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