11月10日 (2020-11-10)
1年に何回か市民対象の法律相談の当番がまわってくる。区役所であったり、市民センターであったり、事務所待機であったり。
大抵は離婚とか相続とか貸金とか、私の法律知識とこれまでの経験で何とか対応できるが、私の苦手はいわゆる「人権」相談ということである。
先日の人権相談に来た女性の言い分は、常に車で追い回されている、誰かが私の上司に私の悪口を言ったため私は解雇された、家の前に汚物をぶちまけられている、すれ違いざま身体のあちこちを触られるというもの。警察にも相談したが何もしてくれない。どうにかしてほしいという。
何か証拠があるかと聞くと何もない。近所の人は皆私が被害に遭っていることを知っているというので、では近所の人に作文を書いてもらうとか協力してもらえないかというとそれもできないという。
せめてぶちまけられた汚物を写真に撮っておくとか、つけまわした車のナンバーを控えておくとか、何か手がかりになることをしておけばと助言する。
もしかしたらこの人は被害妄想なのかもしれない。むしろ精神科の受診を勧めたら良いのかもと思うが、それもうっかり口にはできない。難しいところだ。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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