11月20日 共同親権

親権

 今、離婚後の未成年の子の親権をめぐり、共同親権を導入するか否か意見が分かれている。親権とは子どもの身のまわりを世話するだけでなく、財産管理、進学先の決定、入院・手術の同意など重要事項の決定権も含まれる。

 現在の日本では離婚時にどちらが親権者になるか決める単独親権である。これを共同親権にするため法律を変えようと主張する学者等の人達は、「海外では共同親権が当たり前、共同親権にすれば子どもとの面会もスムーズに行われ、養育費不払などの問題も解決されることが多い」などと主張する。

 法制審議会では、現在の単独親権と、共同親権併記の形で中間試案を進めていると聞く。

 しかし、私は離婚事件を多く扱っている中で、共同親権には疑問を持つ。夫婦が離婚するまでにはそれなりの葛藤があり、離婚後はわだかまりを捨てて子どものことを第一に考えるということがあるべき姿だろうが、現実はそううまくはいかない。離婚した直後は子どもを別れた夫に会わせていたが、子どもは父親に会うたびに母親の悪口を聞かされるとか、折角母親が子どもをしつけているのに、たまに会う父親が子どもが欲しがるままに甘い物やおもちゃを与えるので、子どもがわがままになって母親の言うことを聞かなくなったとかで、父親との面会を渋る母親もいる。また、離婚したくなかった夫が、裁判で離婚を決められた後、いつまでも元妻を追い回しているケースもある。

 制度として共同親権が導入されれば、意のままにならない元夫が、例えば子どもの学校行事への参加に同意しないとか、元妻への嫌がらせができる道具を与えることになりはしないか、と思うのは杞憂であろうか。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
藤田・曽我法律事務所代表弁護士

仙台で弁護士を始めて50年以上。

この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。

注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。