1月10日 (2021-1-10)

 このコロナ禍で色々な行動が制限されている。入院・入所している家族との面会もままならない。人数も時間も制限され、しかもガラスやフィールドシート越しで直接触れ合うこともできない。そのために認知症が進行することも多くなったと聞く。
 私が相談を受けている85歳の男性も老人施設に入所し、急いで遺言を書きたいとの連絡で施設に面会に行こうと思ったが、なかなか施設の許可が出ない。それなら一時帰宅したいと申し出たがそれも叶わない。入所しないで自宅で頑張っていればよかったと後悔している。
 私が入っている尊厳死協会では、生前にリビングウイルを書いておいて、「私の傷病が、現代の医学では不治の状態であり、既に死が迫っていると診断された場合には、ただ単に死期を引き延ばすためだけの延命措置はお断りいたします。ただしこの場合、私の苦痛を和らげるためには、麻薬などの適切な使用により十分な緩和医療を行ってください。私が回復不能な遷延性意識障害(持続的植物状態)に陥った時は生命維持措置を取りやめてください」という希望を明示することを勧めているが、更に在宅医療、在宅看護も勧めている。「時々入院、ほぼ在宅」というキャッチフレーズである。在宅医療、在宅看護を支える訪問医、訪問介護師も増えている。リビングウイルの意思を尊重し、受容協力医師として登録する医師も増えている。自宅で尊厳ある死を迎えたいとの希望を諦めてはいけないと思う。日本を代表するノンフィクション作家の柳田邦男氏も「自分の最終章は自分で書く」として、「人生の文脈」の中で最終章となる月日をどう生きたら悔いなき最後を終えることができるかという視野の中でリビングウイルをしっかりととらえ、その趣旨を箇条書きなどにも生かしていくべきだと述べている。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
仙台で弁護士を始めて50年以上。

この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。