11月20日 (2020-11-20)

 A夫は友人B雄から頼まれて保証人になった。友人がローン会社から300万円を借りるに際し、担保になるような不動産も車もなかったので保証人をつけるよう要請されA夫に頼み込んだのだ。
 その時B雄は「あんたには絶対迷惑はかけない。借金は私が責任を持って払う。でも書類上保証人が必要なのでこの書類に署名押印してくれ」と言うのでA夫は信用して保証人欄に自署し、印鑑証明書もつけてやった。
 それから半年後、ローン会社からA夫宛に300万円払えという請求書が来た。
 ローン会社からの文面ではB雄はほとんど借金を返済することなく、現在は連絡も取れていないということである。びっくりしてA夫はB雄に連絡しようとしたが電話もつながらない、郵便物も戻ってくる。要するに夜逃げ同然に姿をくらましたのだ。A夫はローン会社に「私には迷惑をかけないという約束で私はただ保証人欄に名前を書いただけなのだ」と言ってみてもらちが明かない。「あなたが払わないというのなら裁判にするしかない」とローン会社は強硬だ。
 そもそも保証契約というのはA夫とローン会社の契約で、B雄が「あなたには迷惑をかけない」と言ってもそれを以てローン会社に対抗することはできない。B雄と同様に私も責任を負いますよとローン会社に約束をした訳だ。ローン会社はB雄には担保物件もなく支払いに不安だから保証人を要求するのだ。保証人になる時は、自分で借りたつもりにならねばならない。昔からよく親の遺言で「絶対保証人にはなるな」と言い伝えられていると聞くが、それ程保証人になってひどい目に遭った人が沢山いるということだ。
 保証人の一種に「身元保証人」というのがある。これは就職する際に、その者が使用者に損害を与えた時には替わりに身元保証人が賠償するものであるが、時には身元保証人が多大な賠償を要求されることがある。そこで2020年4月から
「身元保証に関する法律」が改正されて、身元保証人の責任について限度額を定めなければ無効とされることになった。また、就職した者の責任を長期間負うというのではなく、特に期間を定めない時は3年、定めても5年を超えるものは無効である。そして使用者に対して被用者の勤務状態や任務任地の変更などを通知するようにして身元保証人に過度の責任を負わせないようにしているのである。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
仙台で弁護士を始めて50年以上。

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