6月20日 (2020-6-20)

 新型コロナウイルス関連のニュースにはよくカタカナ語が使われている。 「クラスターが発生し、これがオーバーシュートするような状態だとロックダウンも考えなければならない」というように。何故「集団感染が発生し、これが度を越すと都市閉鎖しなければならない」と言わないのだろう、その方がずっとわかりやすいのに。
 クラスターやオーバーシュートなどは元々医学用語ではないはずだ。それを医学関係の評論家などが頻繁に使うのでコロナウイルス独自の用語かと勘違いしてしまう。日本に住む外国人も訳がわからないと言っているという。字数にしたってロックダウンと書くより都市閉鎖とした方がスペースが少なくてすむだろう。 私の好きでない単語に四字熟語を短縮したものがある。例えば援助交際を「援交」、就職活動を「就活」というような。
 もっとも業界用語でも婚姻費用を「婚費」、弁論準備を「弁準」、簡易裁判所を「簡裁」、民事訴訟を「民訴」というのは度々使っていて、当たり前のようになっているが、婦人法律家協会を「婦法協」、女性弁護士懇談会を「女弁懇」などと言うのは音感的にも嫌な響きだと思う。
 以前、刑事被告人と話をしていた時に「カンモク」「ソクコウ」という言葉を度々使うのでそれは訳がわからずに聞き返すと「完全黙秘」「即時控訴」のことだという。これは一時的な略語か彼独自の略語かと考え込んでしまった。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
藤田・曽我法律事務所代表弁護士

仙台で弁護士を始めて50年以上。

この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。

注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。