6月10日 (2020-6-10)

 A子が離婚の相談に来た。
 60歳で定年になった夫が、毎日家に居るのがうざったいというのだ。夫が今まで仕事一筋で何もしてやれなかったから、これからは2人で旅行もしよう、外でおいしい物でも食べに行こうとさんざん私のご機嫌を取ろうとしているが、私は遊んだり旅行したりするのは気の合った女友達がいい。今更夫と一緒に楽しもうなんていわれても気が滅入るばかりだ。むしろ放っておいてほしいと冷たい。うざったいというだけでは離婚原因になりませんねと私が言うと、どんなことなら離婚原因になるのかと聞くので「そうですね、例えば不貞を働いたとか」と言うと「あ、そうだ。夫は浮気したことがあった」と思い出したようで、いつのことかと聞くとしばらく考えていて「確か20年位前だった」と言う。しかしその時は夫は高収入で生活は安定していたし、子供達も未だ小さかったし離婚は考えもしなかったと言う。「それじゃもう時効ですね、その後浮気した夫を許して一緒に生活してきたんでしょ」と私が言うと、「いえ、許しなんかしませんよ。許すなんて一言も言っていませんよ」と言うA子。
 それならしばらく別居するかと提案しても私は家を出たくない、夫も多分家を出ないだろうと解決案はでない。そんな妻のご機嫌を取りながら老後を過ごす夫の方が私は何だか気の毒になってきた。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
仙台で弁護士を始めて50年以上。

この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。

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