4月20日 (2020-4-20)

先月、私の事務所に三〇年近く勤めていた事務員が病死した。私の子供達位の年代だった。頭がよく、機転のきく女性で、まさに私の片腕として働いていた。 私が年を取って半ボケになっても、私の車イスを押して、よだれをふき、ふるえる手を押さえつけて押印・署名させ、そう簡単には仕事をやめさせませんからねと豪語していたので、私は夫より彼女の方が頼れるなと思っていたのだった。その彼女が私より先に逝ってしまうなんて!
私は父を七十八才、母を七十七才で亡くして、その時も悲しい、寂しい思いをしたが、今度は彼女を若年で失ったこの喪失感、脱力感はいかんともし難い。
医学は進歩しているというが、彼女を救えなかった医学なんて役立たずだと憤ってみたり、私がいくら永生きしても支えてくれる人が若くて死んじゃうなんてもうこの世には未練はないと呪ってみたり。 ああ、本当にやりきれない。
この記事を書いた弁護士

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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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