2月20日 (2020-2-20)
B子は、夫が横暴で口汚くB子をののしる、平気で無断外泊する、浮気はする。 30年も我慢してきたが、子供らが成人して夫婦2人だけになったので、もうこの際離婚したいという希望で私の事務所にやって来た。
穏やかに話し合いできるような夫ではないと考えたので、私は早速、家庭裁判所に調停の申立をすることにし、夫宛その旨の手紙を書いて出した。
すると夫から私に電話。強い口調で「女房とは別にけんかなんかしていない。何であんたが勝手に離婚させようとするんだ」と憤る。私が「B子さんは、あなたの横暴や浮気に耐えかねて、家を出て離婚したいと言っているんですよ」と説明すると、「俺達はそれで永年やってきたんだ。俺がどんな口を利こうが浮気しようが、女房から文句言われたことはないんだ。赤の他人のあんたからどうこう言われる筋合いはない」とすごい剣幕だ。
それをB子に言うと、B子はひたすら私に謝る。「すみませんね。嫌な思いをしたでしょう。そんな人なんです」と。
これまでも夫が外で大声を出してB子を怒鳴りつけると、B子はひたすら夫に謝るだけではなく、隣近所にも迷惑をかけたと謝って歩いたという。隣近所からも「奥さん大変ですね」と同情されたという。
B子が離婚の申立をして、夫は目が覚め反省するだろうか。そんなことはないと思う。反省すべきなのはこれまで夫を甘やかし、好き勝手させていたB子の方なのかもしれない。
この件については余談がある。離婚の調停で夫に弁護士がついたが、調停の席上、弁護士が夫をなだめるようなことを言うのに対して「何で俺が悪い、女房公認の浮気だったんだ」と自分の弁護士にもくってかかっていた。
夫の弁護士もさぞやりにくかっただろう。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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