12月10日 (2019-12-10)
A子の母親が死亡した。住んでいた土地・建物とわずかばかりの現金が遺産の全てである。
東京に住むA子の兄と相続の話をしたが、兄は土地・建物を売ることを主張する。A子は、ずっと母親と一緒に住んでいた土地・建物を手放したくはない。しかし、土地・建物は時価で8000万円もする。
A子が土地・建物を相続するとなると、半額の4000万円を兄に支払わなければならないが、とてもそんな資力はない。
そこで私の所に相談に来たのだが、私からA子の兄に、不動産を2分の1ずつ共有持分として、毎月A子から兄に賃料をいくばくか払うという提案をしてみたが、拒否された。A子の考えを根本から変えて、土地・建物を売却して、その金で中古のマンションでも購入して生活をやり直す事を考えたらと助言してみた。最初は不動産に固執していたA子の考えも、だんだん変わってきた。
不動産は負動産と言われることもある。古い家の修繕費はかかるし、土地の坪価が高いから固定資産税もバカにならない。庭の手入れも大変だ。
そうか!厄介な物は手放すか、マンションで便利な快適な暮らしも悪くないかと、A子はこの頃そんな風に考えている。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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