11月20日 (2019-11-20)

 群ようこの随筆の中に「服装マナー」というのがあって、一流ホテルの食事なのに、短パンやジャージーにスニーカーなどで来る「じじ」の話。逆に場末の居酒屋なのに、お姫様みたいな服装で来る「ばば」の話があった。私もあまり服装に気を使う方ではないが、法廷に立つ時は、スーツかブラウスにスカート、刑務所に接見に行くときは黒っぽい服装という位は気にかけている。
 調停や証人に出るとなると、よく女性から「どんな服装で行けばいいですか」と聞かれ、ごく普通に、ごく常識的にと答えるがその常識なるものがちょっと疑われるようなこともある。
 B子は破産の申立をして、その審尋の席に一目見てわかるシャネルのスーツにバッグを持ってきた。浪費を疑われて、免責の決定(今後債務を支払わなくてもよいという決定)が出されなかったらどうしようとこちらが慌ててしまった。
恐喝事件の被告人C男は、金髪に染めていて、接見に行った時に頼まれたのが、黒のヘアカラーを買ってきてくれということだったが、情状証人(情状酌量を訴えて刑を軽くしてもらうよう証言する証人)になるはずの母親と打ち合わせをしたら、その母親も見事な金髪に染めていた。法廷に立つまでに元の黒髪に戻して
おいた方がいいよとアドバイスした。
 金髪に染めていても真面目に仕事をしている人もいるが、第一印象で、これはいかにもケンカしたらカツアゲしたりしそうだ、と思われたらそれだけで不利である。又、親も金髪に染めていると、いかにも息子を放ったらかしにして遊び歩いているように見え、そんな母親が「これからは息子をきちんと監督して、悪さをしないように注意します」と証言したとしても、本当かなと首をかしげたくなる。
 やはり立場や場所を考えた身だしなみというのは必要なのだろう。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
仙台で弁護士を始めて50年以上。

この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。