4月20日 (2019-4-20)

 私は、訴訟事件の約半分は判決ではなくて、和解で決着している。
 和解が成立するのは、裁判官の力量に寄る所が大きい。
 たとえば、300万円の請求だからハイ150万円で和解しましょうというやり方の裁判官は、和解上手とは言えない。300万円貸したから返せという訴に対し、被告は3300万円はもらったものだから返す必要はないと主張しているとする。裁判官は、双方の主張をよく検討し、証拠とてらし合わせて一応の心証を得る。双方の尋問をして、双方が相手方のことを「お前はウソ付きだ」「いやお前の方こそ言ったことをすぐくつがえす」などと言い争って感情的になった後では和解は難しいかもしれない。
 和解を勧める時期も大事なのだ。そして、もし判決にならこうだと一応の見解を示す。たとえば、300万円はやはり貸したものでしょう。でも今まで請求しなかったのだから、相手がもらったものだと思うのも、一応うなづける。
 しかし、相手は資力がないから、とうてい300万円を一括で払えないでしょう。仮に判決で300万円払えと出ても、払わなければ強制執行。でも財産もない、決まった収入もない人に何を強制執行しますか。それより何とかここで100万円でも払ってもらった方がいいと思いませんかと、原告を説得する。
 被告に対しては、判決になれば300万円払えという結果になるかもしれないが、何とか100万円工面すれば相手もそれで良いと言っていますよと説得して和解を成立させる。
 このような和解上手の裁判官に助けられて、私の事件の半分は決着しているのだ。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
仙台で弁護士を始めて50年以上。

この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。