5月20日 (2018-5-20)

 A子は結婚し、夫の転勤に従って九州に行ったが、夫の暴言に耐えられず、一歳の子どもを連れて仙台の実家に戻って来た。もう離婚するしかないと考え、夫に離婚と子どもの親権者・養育費、そして財産分与を請求する手紙を出したところ、夫からの返事は、離婚と親権については同意するが、一切お金は払わないというものであった。
 A子が主張するのは、結婚祝いや出産祝いでもらったお金すべてを夫名義の預金にして合計200万円位あるので、半分の100万円は払って欲しいというもので、私は、ごく当然の権利主張だと思えた。また、養育費も当然請求できるし、養育費の金額は、夫の収入と子どもの年齢からして算定表によると月4万円は下らないので、A子から依頼を受けた私からも、夫に対し、その旨請求する手紙を出した。そうしたところ、夫にも弁護士がつき、解決金30万円なら払う、養育費は月1万円なら払うという回答が来た。そんな内容で合意はできないとこちらの請求の正当性を訴えて交渉したが、夫の方は、これ以上払う気はないと強気だ。
 夫の方が強気なのには訳がある。当事者同士の話し合いがうまくいかない場合は、家庭裁判所に調停申立をすることになるが、これは基本的に相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申立しなければならない。相手方は、それがわかっているから、どうぞ調停を申し立てて下さいと強気なのだ。A子は、仙台に住んでいるので仙台の弁護士を依頼したい、でも、調停の期日は九州まで行かねばならないことから、その費用と時間をかけるくらいなら不本意ながら夫の申出に従おうと言い出すのを、夫が待っている様子がありありとわかる。だから、なおさらA子は屈したくないのだ。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
仙台で弁護士を始めて50年以上。

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