1月20日 (2018-1-20)

 夫が、上海でのシンポジウムに出席するのにくっついて行った。
 上海訪問は、今回で3回目。
 1回目は40年前、未だ1~2階建の家が多く、道路には自転車がひしめいていた。
 2回目は20年前、甫東などに高層建築ができつつあった。
 3回目の今回、100階建、400数十メートルのいろいろな形のしゃれたビルが林立し、夜ともなると、それらがまばゆいばかりのネオンで鮮やかに浮かび上がり、街は自動車であふれかえっている。街の人々は、皆おしゃれな洋服に身を包み、にこやかにしゃべったり食べたり、いかにも幸せそうだ。
 街を案内してくれた上海に住む弁護士に、急速の発展ぶりを称賛すると、彼は首を横に振り、貧富の差が激しく、特に農村は発展の恩恵はほとんど受けていないと言う。四川の地震でも、本来なら一番強靱に造られなければならないはずの小学校の建築が脆弱で、多くの子どもたちの被害を出したのに比べ、政府高官の住居の被害は少なかったという。
 旧人民公社跡を案内してもらった時も、毛沢東の若い頃の写真を示して「いい顔をしていたでしょう。それがだんだん権力を握るようになってから、嫌な顔になっていった。習近平も、今自分の写真を街や家のあちこちに掲げるようにしているが、これは良くないことだ。この後5年はうまくやると思うが、その後もっと習近平の地位が続くようであれば、心配なことだ」と言っていた。
 そんな意見を述べることができるということは、少なくとも北朝鮮やスターリン時代とは違う。しかし、日本で報道されているようなノーベル賞作家の劉暁波の妻の軟禁、人権派弁護士の令状なしの逮捕などというようなことが本当だとすると恐怖を感じる。私たち日本人も表面の華やかさではなく、恐怖政治が少しずつ影をひそめながらやってくることに、敏感に警戒心を持たなければと思う。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
仙台で弁護士を始めて50年以上。

この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。