12月20日 (2017-12-20)
75才のA男は、妻を亡くした後、結婚相談所の紹介で10才下のB子と結婚した。ところが、その一ヶ月後、A男が私の事務所に離婚したいと相談に来た。
当初A男は、若い女性を妻にしたと喜んでいたが、いざ一緒に生活してみると、時間を問わずゴロゴロ寝ている、放屁はする、手鼻をかむ、大きな声で「ヘークション」とくしゃみはする、ガラガラと大きな音をたててうがいをする。とても新妻のすることとは思えないと嫌気がさしたというのである。A男が注意したところ、B子は、A男と結婚するまでずっと一人暮らしをして来て、これまでの生活習慣は今さら変えられないと開き直ったらしい。
A男は、A男の年金もあり、大きな家で安居に暮らしていける幸せを得たB子は、到底離婚に応じる気などなさそうだと言う。
さて、困った。
協議離婚できない以上、65才の妻に新妻らしさを求めたが、それが叶えられないという理由で離婚裁判で勝てるとは思えない。
私がそのように言うと、A男は、「息子が『もうその年になって再婚なんかしなくていいじゃないか』と言っていた。本当にその通りだ。息子の意見をもっと真面目に聞いていればよかった」と反省しきり。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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