10月20日 (2016-10-20)

 今年の9月ベルギーで初めて未成年者の安楽死が認められた。2014年にできた法律は、年齢制限がない点で世界初の法律だ。
 隣国のオランダでは、未成年者の安楽死を認めているが、12歳以上に限定している。
 フランスとイギリスでは2005年、ドイツでは2009年、台湾や韓国でも2016年「患者自主権法」「ホスピス延命医療法」など尊厳死に向けた患者の自己法定に関する法律が制定されているのに、日本では法律はおろか、実効性のあるガイドラインもできていない。たとえば、厚生労働省のガイドラインでは「家族と話し合って決める」とのみ記載され、具体的な選択肢を示しておらず、また医師会のガイドラインでも「家族の意向を踏まえて総合的に判断する」と記載され、具体性に欠けるものとなっている。
 人は最後に備えて自分自身の意思で遺言書を作成する。同じように人の最期の在り方についてもその人自身の意思が反映されてしかるべきではなかろうか。
 たとえば、日本では、自ら食事ができなくなった高齢者などに対してSpoon Feeding を行い、排泄に支障をきたした高齢者に対してオムツをあてることが当然のように行われているが、海外ではこれは高齢者の尊厳を無視した虐待と見なされる可能性がある。というのも、「自分の意思で食べ、排泄することができなくなったら、人間としての尊厳が失われる」というのが外国の考え方だからである。
 私も、70歳になった今、つくづくこれから先の健康と尊厳を考えるのである。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
仙台で弁護士を始めて50年以上。

この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。