5月10日 (2016-5-10)
今、遺産分割の調停中だというA子が、やはり弁護士をつけた方がよいと依頼に来た。
話を聞いてみると、生前A子の父親が書いていた遺言書の内容で、もめているという。せっかく遺言を書いていたのに、何でもめているのだろうとその遺言書を見せてもらうと、
「 1 今住んでいる土地・建物は妻にやる
2 農地はすべて長男にやる
3 長女と二女(A子)は協議して預貯金を仲良く分けなさい 」
とある。
この第3項が問題なのだ。
A子の姉は、「私の方が今まで父の面倒をよくみてきたから、私の方がたくさんもらう」と言い、A子は、「いや、半分半分に分けるべきだ」と主張している。「仲良く協議」どころか、調停にまでなっているのだ。
なんと下手な、役に立たない遺言なのだろう。しかも、公正証書遺言なのだ。
法律のプロの公証人が、一言「平等に」とか、あるいは「2対1の割合で」とか入れた方がいいですよとアドバイスしていれば、こんな不完全な遺言にはならなかっただろうと残念に思う。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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