4月20日 (2016-4-20)
B夫が、飲み屋で喧嘩して殴られケガをしたので、相手に治療費と慰藉料を請求した事件で、私は、B夫の代理人としてB夫自身の尋問をしたが、持ち時間は30分。酒場での位置関係、口論の原因、相手の腕力の強さ、ケガの程度、治療内容、被害感情を事前に打ち合わせしていたので、スムーズに30分の尋問時間でおさまった。
次に、相手の尋問を相手の弁護士がする。同じく尋問時間は30分。
しかし、最初からもたついている。
相手は、まず自分がいかに知識人で社会的地位が高いかを言いたいらしく、経歴、地域での活動、地元での評判について10分以上もしゃべる。喧嘩当日の話に入る前に、いかにこの飲み屋と馴染みで特別な扱いを受けているかを、またとくとくとしゃべる。
肝心の喧嘩の状況になると、残り時間あと10分。裁判官から注意されて、相手弁護士も焦る。しまいには「そんなことは聞いていない」と自分の依頼者を怒鳴りつける始末で、私とB夫は原告席で失笑をこらえるのに苦労した。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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