増税後,価格に転嫁できず悩んでいる事業者の方へ
平成26年4月に8%になった消費税。
当初は,今年の10月に再増税で10%になるはずでしたが,安倍首相の決断により,平成29年4月まで先送りとされています。
消費税は,製造,卸,小売など,取引の各段階で課税されますが,最終的には価格に転嫁され,消費者が負担されます。
ところが,取引の過程で,取引先との力関係などからうまく価格転嫁ができないと,消費税本来の仕組み(消費者の担税)に反するばかりか,価格転嫁ができなかった事業者の経営状態が悪化するおそれがあります。
このような弊害を防ぐため,消費税転嫁対策特別措置法が制定され,平成25年10月から施行されています。
特別措置法が定める特別措置は,以下の4つです。
- 消費税の転嫁拒否等の行為(減額,買いたたき等)の禁止
- 消費税分を値引きする等の宣伝広告の禁止
- 総額表示義務の緩和
- カルテル禁止の例外
ときどき,新聞やニュースで,公正取引委員会が特別措置法に違反する業者に対し勧告を行ったことが報道されています。
各地の商工会,商工会議所などでも,専用の無料相談窓口を設けています。
「増税後も値段の据置きを求められている」「広告や値札の表示が特措法に触れないか」など,気になることがあれば遠慮なく,お近くの商工会,商工会議所などにご相談ください。
この記事を書いた弁護士
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弁護士 曽我陽一(新潟の米農家出身。趣味はマラソン)
1998年 東北大学法学部卒
2001年 弁護士登録(東京弁護士会)
2008年 宮城県仙台市青葉区に曽我法律事務所を開設
2022年 藤田・曽我法律事務所開設
2022年4月~ 東北大学大学院法学研究科教授
お客様にとって「話しやすさ」を重視しています。法律問題でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。
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