10月20日 (2015-10-20)
顧問をしているC社が訴えられた。
1年前に退職した従業員Dから、在職中、自分の父・叔母が亡くなったのに、会社で定めている弔慰金がもらえなかったという内容だ。
C社の担当者が、帳簿を持って私の事務所に依頼に来たが、見ると、ちゃんとそれぞれ弔慰金を5万円、3万円と支払っている。
そこで、私は、その旨答弁書に書いて裁判所に提出した。
1回目の裁判の期日、私は、当然こちらの主張が通って、Dは訴を取り下げるかと思ったら、Dは、やはり弔慰金はもらっていないという主張する。C社が出したのは、葬式の時に香典として喪主に渡したもので、私は喪主ではないから香典ももらっていないし、弔慰金としても、もらっていないと言うのだ。
C社の担当者に聞くと、わざわざ葬式に顔を出して、喪主にお悔やみを述べて、C社と書いた香典袋を差し出したと言う。
C社では、これまでも社員の親族が亡くなった時は、ポンと弔慰金を渡すのではなく、常に礼を尽くして、葬式に顔を出して渡したと言うのだ。
さて、香典と弔慰金は違うのだろうか。わずか8万円の訴訟ではあるが、裁判所の判断が待たれる。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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