「離婚に伴う夫婦のおカネ清算」~離婚する際に決めておくべき5つのこと~
離婚事件で,離婚する際に決めておくべきものとして,以下の5つのことがあります。
- 親権者
- 養育費
- 財産分与
- 慰謝料
- 年金分割
これらは,家庭裁判所の離婚調停申立書の書式に最初から載っていて,チェックを入れたり数字を入れたりして書き込んでいきます。
このうち,1の親権者は,離婚のときに決めておかないとそもそも離婚ができません。
一方,2~5は,財産的給付の問題ですので,身分関係の問題である離婚のときに一緒に決めなくても,離婚はできます。
では,2~5の養育費,財産分与,慰謝料,年金分割について,後になってから請求することは可能でしょうか?
2.養育費
養育費は,子どもが扶養を要する状態である限り,離婚後であっても,いつでも請求はできます。
ただし,請求する前の過去の養育費は当然に請求できるとは限りません。もっとも,実際の調停や審判では,相手方に資力があるなど,過去の養育費を負担させるのが公平な事案では,一定程度遡って養育費の支払開始時期を定めることがあります。
3.財産分与
財産分与は,離婚の時から2年間請求できますが,それを超えると請求できなくなります。
4.慰謝料
慰謝料は3年以内に請求しないと時効にかかります。時効の始期は,「損害及び加害者を知った時」からで,不貞,暴力など,離婚の原因となった行為についての慰謝料の場合,離婚の時から3年と解されています。
5.年金分割
年金分割も,離婚の時から2年間請求できますが,それを超えると請求できなくなります。
この記事を書いた弁護士
-
弁護士 曽我陽一(新潟の米農家出身。趣味はマラソン)
1998年 東北大学法学部卒
2001年 弁護士登録(東京弁護士会)
2008年 宮城県仙台市青葉区に曽我法律事務所を開設
2022年 藤田・曽我法律事務所開設
2022年4月~ 東北大学大学院法学研究科教授
お客様にとって「話しやすさ」を重視しています。法律問題でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。
最新の投稿
- 2021年4月9日弁護士コラムあきらめるな経営者!事業再生・再建セミナー
- 2020年12月28日弁護士コラム仙台光のページェント
- 2019年7月11日カテゴリー>企業法務取引先が倒産した場合の法的対応・事前対策:仙台商工会議所月報「飛翔」2019年7月号に寄稿しました
- 2018年10月10日カテゴリー>企業法務仙台商工会議所月報「飛翔」に寄稿しました:企業間の契約締結の注意点