相続税法が改正されました

相続税法が改正され,相続税の基礎控除の額が変更されました。

これまで,基礎控除は「5000万円+1000万円×法定相続人の数」でした。

しかし平成27年1月1日からは,「3000万円+600万円×法定相続人の数」になりました。

つまり,これまでは,仮に法定相続人が1名だった場合には,相続財産が6000万円以下であれば相続税が課税されることはありませんでした。しかし,これからは,3600万円を超えると課税される可能性が出てくるわけです。

東日本大震災発生後の被災者からの法律相談では,「身内が亡くなったのですが,相続税はどうなるのでしょうか」という相談がけっこうありました。

「正確なところは税理士さんに訊いてみてください」と言って税理士会の連絡先を紹介しつつ,相続人と相続財産についてざっと聞いてみると,明らかに相続税は課税されないであろう人がほとんどでした。

しかし,上記のとおり基礎控除が下がりましたし,不動産価格が概して低い東日本大震災の被災地と比べて,首都圏や東海地方をはじめ地価が高い地域などでは,今後起こり得る大規模災害において,相続税問題も大きな問題になるかもしれません。

この記事を書いた弁護士

弁護士 曽我 陽一
弁護士 曽我 陽一
弁護士 曽我陽一(新潟の米農家出身。趣味はマラソン)
1998年 東北大学法学部卒
2001年 弁護士登録(東京弁護士会)
2008年 宮城県仙台市青葉区に曽我法律事務所を開設
2022年 藤田・曽我法律事務所開設
2022年4月~ 東北大学大学院法学研究科教授

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