4月20日 (2015-4-20)

 C夫が、相続のことで相談に来た。
 C夫の父親が亡くなって、相続人であるC夫は、相続人である母と二人で暮らし、もう一人の相続人であるC夫の兄は東京で妻子と共に住んでいる。
 父親の遺産は、C夫が今母親と住んでいる自宅の土地・建物、自宅近くの貸し駐車場と現金約1千万円。
 C夫は、今住んでいる土地・建物と貸し駐車場を母と自分で相続して、預金は兄に取ってもらいたいと兄に打診したところ、兄から預金と貸し駐車場を自分に取得させろと言われて、困って相談に来たとのことであった。
 ざっと計算すると、兄に1千万円を相続させれば、C夫と母親の相続分は、法定相続分以下になりそうだから、私は、C夫の考えで十分のはずだと回答した。
 しかし、
   C夫「兄と喧嘩したくないんです」、
   私 「それなら兄の言うとおり、駐車場を兄にやるの?」
   C夫「いや、それでは生活が成り立たない」
   私 「では、生活が成り立たない事情を話して、兄に分かってもらうようにしたら」
   C夫「と言われても、自分から兄には、とても言い出せません」
   私 「それなら、私が代理人になって、示談交渉しましょうか」
   C夫「でも、兄からなんで弁護士なんかつけたんだ、と怒られそうだし」
あれもダメ、これもダメ。
 このような人、どうしたら良いのだろう。

この記事を書いた弁護士

弁護士 藤田 紀子
弁護士 藤田 紀子
藤田・曽我法律事務所代表弁護士

仙台で弁護士を始めて50年以上。

この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。

注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。