少年事件の減少と家事事件の増加

前回,仙台地裁管内では震災後に破産事件が増加するどころか減少を続けている,ということについて触れました。

同じく減少傾向にあるのが,少年事件です。

最近の川崎市の事件の報道などに接すると意外な印象を持たれることもありますが,少年事件は減少してきています。

その原因として,弁護士の賢明な付添人活動によって少年が更生し,再非行が減っているから,と言えればいいのですが,そのように断じる根拠は残念ながらありません。

明確な根拠を挙げるのは難しいものの,少子化や,少年の生活の変化の影響が大きい気がします(戦後間もないころと比べれば,食べる物のために罪を犯す少年は減っているでしょうし,友人関係でも,LINEなどインターネットを通じた交友はさかんな反面,現実に行動をともにする機会は減っているのではないでしょうか)。

一方,家事事件は全国的に増加傾向にあり,特に子どもとの面会交流を求める事件が増えています。多様性を認める価値観が社会に広がる中で,女性の社会進出,離婚時年金分割の整備なども後押しとなって,離婚事件は増加傾向にあります。

そして,離婚した後の子どもとの接し方も,これまでは,親権者とならなかった方の親(多くは父親)は離婚後に子どもとの面会を希望しなくなってしまうことが少なくなかったのが,徐々に子どもとの交流を持ち続けたいと思うようになってきているようです。まさに,社会の変化が事件数にも影響しているのだと思います。

この記事を書いた弁護士

弁護士 曽我 陽一
弁護士 曽我 陽一
弁護士 曽我陽一(新潟の米農家出身。趣味はマラソン)
1998年 東北大学法学部卒
2001年 弁護士登録(東京弁護士会)
2008年 宮城県仙台市青葉区に曽我法律事務所を開設
2022年 藤田・曽我法律事務所開設
2022年4月~ 東北大学大学院法学研究科教授

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