2月10日 (2015-2-10)
浦和に住む弟と久しぶりに長電話した。
今年は、母の13回忌なのでどうしようとか、先日裁判所を出たところで滑って転んで肉離れを起こしたが、帰宅途上ということで労災になったとか、ついでに共通の知人の噂話をしたり、弁護士の収入減を嘆いたり。
姉弟で誰にも聞かれないと思うから、身内の恥も何でも話す。それは通信の秘密やプライバシー権が守られているから、と安心しているからである。
しかし、昨年9月に法審議会は「新たな刑事司法制度の構築についての調査審議結果」を採択し、法務大臣に答申したが、その内容として、従来狭く限定されていた通信傍受法の対象犯罪を拡大すること(詐欺・窃盗・傷害などを含む一般犯罪にまで大幅に拡大する)や、手続を簡略化すること(通信事業者の常時立会制度の撤廃)を提言している。
通信傍受法の本質は盗聴であり、通信の秘密やプライバシー権などの重要な人権を侵害するものである。
罪を犯しておらず、犯罪組織にも関わっていない、ごく普通に暮らしている人々が通信傍受を受ける可能性も大幅に高まる。いつ、誰との通信を傍受されるかもわからず、安心して電話やメールを使うことができない社会になってしまうかもしれない。
おーこわこわ。これからはいつでも誰かに聞かれてもよいような話しかできなくなるなんて。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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