6月10日 (2014-6-10)
弁護士は、依頼者の希望を最大限叶えるように努力する。
依頼者が女性(妻)で、「夫からできるだけたくさん資産を取って、離婚したい」という希望なら、慰藉料だ、財産分与だと主張して、できるだけたくさんのお金あるいは不動産を取れるようにする。
逆に、依頼者が男性(夫)で、「妻から離婚だと言われているが、自分は離婚したくない」という希望なら、妻に謝罪の手紙を書いたり、今後の生活の改善策(たとえば、「給与は毎月妻に渡す」とか、「もう競輪・競馬には絶対行かない」とか、「自分の預貯金の半分を妻に贈与する」等)を妻に呈示して、何とか離婚を思いとどまってもらうようにする。
ところが、先日、事務所に相談に来たA子は、そもそも離婚した方がいいのか、すべきでないのか、未だ決められない。
そこで、私は、「もし、離婚するなら慰藉料と財産分与を請求しましょう」、「離婚しないで別居なら、婚姻費用分担金(生活費)を請求しましょう。そして、夫が死んだら妻として相続分もありますよ」と説明した。
あとは、A子が自分で決めてくれなくては困る。
それなのに、A子は、迷いに迷って「他の人はどうしているのでしょう」等と聞く。他の人の例を聞いたって何の役にも立たない。
私は、「帰ってから、子どもたちとも相談して、方針が決まってからもう一度いらっしゃい」と言ったが、A子は、次回来て、また同じ迷いを口にするのだ。
弁護士は、人生相談を受けるわけではないのです。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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