3月10日 (2014-3-10)
A男は貸家を持っているが、借家人が2年ほど前から家賃の支払を滞りがちになり、度々催促してきた。しかし、1ヶ月ほど前から借家人が電話にも出なくなったので、A男が貸家に行ってみると、郵便受にいっぱい郵便物がたまっている。合い鍵で開けて入ってみると、部屋の中は散らかし放題。
A男は、借家人に対し、滞った家賃と貸家の明渡しを請求して訴を起こしたが、訴状が被告(借家人)に送達されない。そこで、公示送達という方法を取って、やっと裁判が始まったが、当然被告は欠席。
勝訴判決を取っても、被告がいないのだから、執行官を頼んで強制的に明渡しをしなければならない。
強制的に明渡しというのはどうするのかというと、A男が荷物の保管場所を確保して、執行官が運送業者を頼んで、そこへ賃借人の荷物を全部収納する。その費用は、すべてA男負担。お金の問題だけではなく、荷物の中には、位牌や遺影まであって、その処分にも頭が痛い。
滞った家賃も取れないばかりか、余計な出費まで余儀なくされ、A男は怒りまくっている。
貸すときに、よくよく人を見なければ、とんでもないことになるのだ。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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