2月20日 (2014-2-20)
C子の夫は、突然、置き手紙をして家を出て行った。「あなたのうじうじした性格はもう我慢ができない。私の顔を見る度に愚痴ばかりこぼして、私はノイローゼで仕事も手につかない。どうぞ私を一人にしてほしい」という内容だ。
夫は、数年前から会社の同僚の女性と懇意になり、休日も彼女とのデートを重ね、ちっとも家には寄りつかないから、C子としても愚痴の1つも2つも言いたくなる訳だ。
そして、夫から離婚調停が申し立てられたが、C子が離婚に応じなかったために調停は不成立で終わり、夫から本裁判が出された。
C子は、夫が彼女と同棲しているに違いないと確信している。しかし、訴状に書かれている夫の住所の住民票を取って見ると、ちゃんと夫の名前で登録され、しかも一人住まいのようだ。夫の借家の賃貸契約書を取り寄せてみても、夫名義で契約して借りている。やはり夫は、少なくとも現在は一人で暮らしているとしか考えられないが、C子は、それでも夫は絶対一人では生活できない人だから、一人暮らしをしているはずはないと頑張る。
それなら、と私も半信半疑で夫の住所地の水道局と電力会社に、どれだけ水や電気を使用しているか調べた。
そしたら何と、夫が住居を借りてから今までの半年、ほとんど使用量がゼロであることが判った。つまり、夫は、住民登録している借家では生活していないということ。裁判官も不貞の心証を取って、夫に、C子に慰藉料を支払うよう勧めた。
このように、欲しい資料は「調査嘱託」という形で申立てをすれば、裁判所から水道局や電力会社に依頼してくれる。
銀行に取引履歴を調査嘱託したり、相手の勤務している会社に退職金がいつどの位支給されるのか調査嘱託したりするが、これは相手の面目をつぶすことにもなりかねないので、できるだけ任意に資料を提出してもらうようにしているが、拒否されると、こちらも奥の手を使うわけである。
この記事を書いた弁護士
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藤田・曽我法律事務所代表弁護士
仙台で弁護士を始めて50年以上。
この地域に根を張って、この地域の人々の相談に応じ、問題の解決に図るべく努力をしてまいります。
注:弁護士 藤田紀子は令和5年3月12日に満77歳で急逝いたしました。
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